グアムの1日[campionamento]
 未だ暗くコースのラインすら読めぬ朝6時、早朝練習が始まる。一日寝たせいで、すっかり体調は回復。いつもより長めの約50分間全開の練習を終え、カズの部屋で朝食をいただく。鮭、ご飯、納豆、みそ汁、果物というシンプルなものだが、まっとうな食事をとるのはものすごく久しぶりな感じがする。やはり、グアムに入ってからの食事に相当まいっていたのだ。ここだって、食材は現地調達なんだから、ホテルのレストランでももう少しまともな味が出せそうなものなのだが…。味付けの感覚が違うのだろう(すべてのレストランで、料理にはおしなべてかなりの量の砂糖がぶち込まれていた=南の島ならではなのか?)。食事を終え、10時から午前練に入る。本日は、横浜FCから柏への移籍が決まっているゴールキーパーの菅野孝憲選手、テレビ東京の取材で来ている前園真聖氏も加わってボールを使った練習。終了後再び、カズの部屋でカレーライスをいただく。練習も4日目に入り、疲れがたまっているということで、午後の練習はカット。とにかく、3月8日の開幕に向けて順調な仕上がりの様子。昼食後、カーテンを閉めてカズが日本から持参していたニューオリンズを舞台にしたアクション刑事もの映画を大画面で数人の仲間と見る。やたら銃をぶっ放すB級映画。カズは途中、疲れのためかまどろんでいたが、結局最後まで見てしまった。それにしても思う。やはりトップアスリートになるためには(あるいはあり続けるためには)、職人のようにある種単調な作業を受け入れ、自分のものとしなければならないのだ、と。誰に強制されるわけでもなく、真っ暗なグラウンドを走り、ときに体を痛めつけ、マッサージを受け、ひたすらホテルの部屋とグラウンドの往復を繰り返す毎日を厭わぬこともまた欠かせぬ能力なのだろう。せいぜいの娯楽が部屋で見るDVDというわけである。チームが途中から合流してくるため、こんなカズのグアム生活は、2週間も続く。かたや私はと言えば、原稿を書く必要に迫られているにもかかわらず、体がなまっていることもあって、友人とボーリングに興じてしまう。実に連続5ゲームもハイスピードで汗だくになりながらこなすことに。 夜、再びカズの部屋で菅野選手らと和食をとる。3食まともな食事をいただける幸せ(大げさでなく)を改めて感じる。早朝のウォーキング、ボーリング、ノンアルコールと極めて健全な一日となる。
DSC00825-2.JPG

コメント

ほの暗いグラウンドを走るカズ選手の脳裏には何が映っているのでしょうか。
無心?喜び?それとも自分が「カズ」であることへのプライド?
カズ選手の執念がこちらにまで伝わってくるようです。
有難うございます。
TENGYO
(2008-01-16 20:48)
鶴岡のレストラン、アルケッチャーノが好きだったため、奥田シェフもインタビューを受けた「働きマン仕事人に聞く」を偶然薦められて、読み始めました。初めて聞く、具体的なエピソードがたくさん入っていて、行間から熱(書き手の熱も、仕事人の熱も)が感じられて、すごく引き込まれて読んでいます。こんなにすごいライターの方がいらっしゃったんですね。これからもチャンスがあったら一志さんの本を読みたいです。ありがとうございました。
山形市民
(2008-01-16 23:07)
TENGYOさま カズの執念、これからも追い続けます。どうぞよろしくお願いします。

山形市民さま 熱のある人を追うからこそつい熱がこもるのだと思います。年末ぐらいには文藝春秋から単行本として奥田シェフの本を出す予定です。ご期待に添うべく頑張ります。
issi
(2008-01-20 23:12)