再び山古志村へ[campionamento]
 早朝に起き出し、原稿の修正にとりかかる。しかし、意外にもこれに手間取り、予定時刻より1時間以上出遅れてしまう。関越自動車道を通って長岡へと向かう。急ぎの余り、途中、覆面パトカーを追い抜き、あわててアクセルを緩める。結局、彼らは追尾態勢に入ることができなくなり、口惜しげに(あくまでも印象ですが)猛スピードで私のクルマを追い抜いていった。そして、その2キロほど先で、あわれにも彼らの犠牲となったクルマが…。それにしても、スピード違反を取り締まる覆面パトカーなんてものが海外にもあるのだろうか?まあ、スピード出し過ぎの抑止にはなっているのかもしれないけど。
 約束の時間より15分遅れで長岡駅に到着し、新潮社の秋山洋也氏をピックアップ。今回は「AERA」誌の取材だが、単行本でも「地方」をテーマに何かできるのではないかと、秋山さんにお願いして参加してもらったのだ。長岡中央青果で奥田政行シェフ、江頭宏昌准教授、田中祐一シェフ(「trattoria A alla Z」)、野菜ソムリエの木村正晃各氏(今回の企画「いろいろ教えてもらっチャーノ!」は木村氏によるもの)と待ち合わせ、市場の鈴木圭介会長らから長岡の在来作物について話をうかがう。1時間半ほどの講義を拝聴し、かぐらなんばんの生産者を訪ねることに。クルマ3台に分譲し、走り出す。
 行く先もわからぬまま、30分ほど走ると、なんとそこは山古志村。実に4年ぶりの訪問だ。震災後、何度か訪ねていた忘れがたき村。残念ながらかぐらなんばんの時季は過ぎてしまっていて、現物は枝とともに破棄されていた小物しかなかった。DSC04644.JPG生産者から最盛期に摘んだかぐらなんばんの甘露煮をごちそうになる。最初は甘く、やがて口の中に辛みがじわっと広がる絶妙な旨さ。DSC04653.JPGこの食材、売り方によっては長岡野菜の軸となる在来作物だな、と思った(そして事実、奥田さんはこの野菜にいたく感動していた)。帰りがけ、薄暮の光が棚田を照らす光景に思わず見とれる。多くの家は建て直され、棚田にも水が張られ、崩れた山も化粧直しされている。この村は、本当に隅々まで美しいのだ。妙な輩に侵されたりせずに、このまま順調に復興を続けていってほしいと願う。DSC04660.JPGまたいつかゆっくりと回ってみたい(棚田の写真を撮る間もなく移動したので)。夜、奥田シェフらと長岡市内の居酒屋で食事。
 翌朝、秋山さんと長岡グラウンドホテルに行き、ここでしか売ってないと言われる「山古志かぐらなんばんジャム」を買う。甘くて辛いジャム(らしい)。「trattoria A alla Z」に戻り、江頭先生の在来作物についての講演を聴く。パネルディスカッションののち、ランチに。全10品。地元野菜をふんだんに使った料理の数々。前日までに決まっていたプランは、朝、シェフの一声で変更され、料理を出す直前になってまたまた変更されたりする。DSC04679.JPG奥田シェフの料理はジャズだ。ついてくるメンバーは大変だろけれど、食べる方としては、そのアドリブ感がたまらない。「だるまれんこんとトマト カラシ+ルッコラ味」はわかりやすく、皆がうなっていた。DSC04732.JPG長岡野菜の振興にはキリンが協賛していて、テーブルには「キリンフリー」(アルコールゼロの麦芽清涼飲料)が。初めて飲んだが、ビールをイメージしてしまうと、まったくの別物という感じ。売れ行きは好調らしいが、私は、ノンアルコールで食事というのであれば、サンペレグリーノの方がいいかな、と思った。なんか妙に人工的な味がするのだ。すみません、ご馳走になったのに。2時間余のランチを終え、「カーブドッチ」へ。「カーブドッチ」の詳細は後日また。とにかく、日本にこんなところが!と思う施設と風景だった。DSC04780.JPG
 途中驟雨に遭いながらもノンストップで東京着。恵比寿のトーキョーオイスターバーで友人ら6人で食事。以前来たときとはスタッフが替わっていて、”仕切り屋おばさん”みたいな人が切り盛りしていた。「ワインリストありますか?」と尋ねると、にべもなく「ありません!」と言われ、「どんなものがお好みで?ご予算は?」と切り返される。たぶん、種類はそんなに置いていないのだろう。「ドンチッチョ」のように親しくかつ信頼できる店であれば、誰と来ていても「とにかく安くて美味しいワインを!」と笑って言えるわけだが。おばさんも別に悪い人ではないと思うのだけれど、テンパリ感が客に伝わってきてしまうのは、いかがなものか。適度なサジェスションはいいけれど、押しつけは煩わしい。そこがサービスの塩梅なんだけどな。とはいえ、美味しい牡蠣をたらふくいただき満足度は高し。DSC04803.JPG仕事組と別れ、アナ・チームとカラオケへ。
2009-12-14 14:59 この記事だけ表示